ハードが違うと囲碁AIはどう変わる?~準備編~

皆さん、こんにちは。 関西棋院棋士の星川愛生です。

今回は同じ囲碁AIでパソコンとスマートフォンだと
どのような差が出るのかを検証していきます。

この企画を思いついたのは「BadukAI」というアプリを知ったのがきっかけです。
BadukAIはAndroid用のアプリで、作者いわくAndroidで最初にkatagoをネイティブ実装したとのことです。

同じAI、同じネットワークファイルなら時間さえかければスマホでも高性能パソコンと同じ結果にはなります。
しかし同じ時間では当然パソコンの方が強力です。
では、同じ考慮時間だとパソコンとスマホはどれくらい棋力差があるのでしょうか?

まずはパソコンとスマートフォンとの性能比較表です。(表1)
スクリーンショット 2021-05-29 231532.png
パソコンは私が使っている自作したもので
スマートフォンはSonyのXperia5となります。

次に使うAIとネットワークファイル、設定の表となります。(表2)
スクリーンショット 2021-05-29 233609.png
補足をするとBaduk AI 1.9katago1.8相当でネットワークファイルは同じのを使っていますがアプリ用に調整したものらしいです。

つまり、表1はハード、表2はソフトの詳細となります。
双方まったく同じ設定にすると、どちらかが十全に実力を発揮できないのでスマホ側はデフォルトのままです。
謎なのがパソコン側はmaxPlayoutsを300にしましたが、実際の対局だと10000以上出ていたりします。
もし設定でこうした方が良いなどのご指摘があれば助かります。

上記の条件プラス、10秒の秒読み、一番手直りで30局打たせました。
果たして、パソコンとスマホは何子差なのか… 
次回、前半戦15局の結果とその中で印象的な1局をお届けします!














次回は2021年6月7日(月)に更新予定です。
内容はパソコンとスマホの打ち込み碁の前半戦の様子をお伝えします。

このブログ以外にも面白いブログが
のリンクから見れます

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この記事へのコメント

2021年06月04日 09:08
楽しみです
まなぶ三段
2021年06月06日 16:25
コメント、ありがとうございます。
励みになります!
灰色猫
2021年07月05日 13:45
こんにちは、KataGoの設定で「maxPlayoutsを300にしたけど実際は10000とかになる」という件ですが、Sabakiの設定がメガパックのままになっているとかではないでしょうか?
もしそうだとすると、「gtp -override-config ponderingEnabled=false,maxVisits=200000 -model kata1-s908.gz」などのようになっていると思います。
-override-configというコマンドにより、設定ファイルの情報を上書き変更するような感じになっていますので、「,maxVisits=200000」を削除するとうまくいくかもしれません。

余談ですが、10秒で約7万プレイアウトはすごですね。私はRTX2060を使っていますが、40bだと500visits/sくらいです。私のPCより14倍も速いです!!
まなぶ三段
2021年07月06日 16:56
こんにちは。
灰色猫さん、コメントありがとうございます。
KataGoの設定のご指摘、参考になります。
また見直してみます。

>余談ですが、10秒で約7万プレイアウトはすごですね。私はRTX2060を使っていますが、40bだと500visits/sくらいです。私のPCより14倍も速いです!!

そうなんですね!
やはりRTX3080だと充分な性能なのかもしれません。
でもRTX4000シリーズが出たら、また飛びつきそうです(笑)

今後とも宜しくお願いします。

プロフィール

名前
星川愛生
誕生日:
6月19日
性別:
職業:
囲碁棋士
一言:
古典詰碁と囲碁AIに力を入れてます。

自作パソコンが趣味で機械系には割と強いかも?

最近はVTuberにハマっています(笑)

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