ハードが違うと囲碁AIはどう変わる?~前半戦~
皆さん、こんにちは。 関西棋院棋士の星川愛生です。
前回はほぼ同じAIでパソコンとスマホが対局するための準備として
比較表や条件を記載しました。
前回の記事『ハードが違うと囲碁AIはどう変わる?~準備編~』
今回は打ち込み碁30局のうち、前半戦として15局の様子をお届けします

その前に補足として、一番手直りとは1局ごとに手合割りが変わるルールです。
例えば、互先で負けると次は負けた側の定先、更に負けると2子になります。
なので一番手直りはとてもスリリングなルールとも言えます。
私は小学生の頃、2子置くくらいの相手と一番手直りで打ったことがありますが
その時は最大9子まで打ち込まれました💦
人間だと打ち込まれたら平静ではいられませんが、AIだとどうなのでしょうか?
それでは早速、表3を見てください。
勝敗と手合割りはスマホ側から見た結果です。
1局目は互先から始まりました。ぱっと見、2子と3子が多いですね。
15局まで互先、定先ではスマホは勝てないが3子では負けないといった感じでしょうか?
では15局の中から1局目を解説します。
パソコン側の黒番です。白12は足早でAIらしい手ですね。
黒は13から先手で三々を切り上げて19と下辺に向かいます。
白20は白Aと比べると、隙がありますが戦いながらカバーしようという手です。
黒23で黒Bなら普通ですが白Cと封鎖されます。
なので23は手筋です。更に黒25が名調子、サバキのお手本のようです。
白26の受けは仕方ありません。黒27~白30は手続きのようなもので相場です。
黒31の切りに受け方が難しいところ。白32で34は黒Dの手が残ります。
黒33に34とへこませたら35で黒が不満なしです。
白34で△と打ったら、今度は黒1と飛び出します。黒5が先手になり、更に7と押す調子も出ます。
間違いなく名人級の打ち回しです。とても勉強になります!
この後の戦いも大変興味深いので、下記のリンクから終局まで見るのをオススメします。
1局目の棋譜はこちら→https://gokifu.net/t2.php?s=1021622963582920
次回は2021年6月14日(月)に更新予定です。
内容はパソコンとスマホの打ち込み碁の後半戦の様子をお伝えします。
果たして波乱の展開があるのか!?
この記事へのコメント
>スマホの電池の減りも気になります^^
いずれ、Baduk AIの紹介もしたいと思うので
その時に電池の減りもお伝えいたします!