ハードが違うと囲碁AIはどう変わる?~まとめ~
皆さん、こんにちは。 関西棋院棋士の星川愛生です。
前回、パソコンとスマホで一番手直り30番碁の結果が出ました。
今回は本企画のまとめと所感を行います。
結果はスマホ側から見たものです。
30対局して、14勝16敗となりました。
打ち分けでは無いのは2子に打ち込まれたからですね。
やはりAI同士なので落ち着くところに落ち着いたと言えるでしょう。
人間同士ならもっと偏るのが普通かと思います。
次に手合割ごとの勝敗です。
互先0勝2敗、定先1勝9敗、2子8勝5敗、3子5勝0敗となりました。
この結果を見て思いましたが、そもそもの手合割りとして定先と2子の間はかなり差があるようです。
個人的に持碁になれば面白いと思い、互先以外にはコミを付けませんでした。
しかし、2子コミなしの前に2子コミ6目半を追加したら良かったかも知れません。
入力作業について
本企画ではパソコンとスマホそれぞれで操作しましたが、
スマホで入力する際に何度もミスしました💦
6インチの画面ではありますが19路だと小さく感じます。
入力作業は大変でしたが、それ以上に盤上の内容に感動しました。
まるでタイトル戦の記録係をしている感じです。
一手一手に次はどう打つかな?と考えながらだったのでとても勉強になりました。
パソコン側の画面
スマホ側の画面
まとめ
ハイエンドパソコンとスマートフォンというとかなり性能差があります。
今企画のハード性能の詳細はこちら→『ハードが違うと囲碁AIはどう変わる?~準備編~』
しかし実際に何子差かというと2子も差がありませんでした。
なので、スマホでも充分な強さを備えています。
パソコンでもハイエンドとミドルレンジでは、そこまで棋力差はないでしょう。
お試しで囲碁AIを使う時にはGTX1660搭載パソコンでも充分かと思います。
次回は2021年6月28日(月)に更新予定です。
しばらくAI関連の記事が続いたので古碁…
本因坊察元の打ち碁紹介を予定しています。
この記事へのコメント
いつもコアな話、楽しみにしています!
AIは自分も活用しているので興味深いです!
以前おっしゃっていた、玄覧の解説本楽しみにしています(笑)
あたたかいコメントは励みになります!
>以前おっしゃっていた、玄覧の解説本楽しみにしています(笑)
玄覧は詰碁自体は精査済みなのですが、題名の翻訳が難航してます(汗)
例えば『周武討商紂之形』という名前の詰碁があるのですがこの意味が難しい…。
中国の故事に詳しい方を今探しているところです!
星川先生が考える囲碁AIに最適なスマホは何でしょうか?
シンプルにアップルかスナップドラゴンだとどちらが強いのか非常に気になります。
>星川先生が考える囲碁AIに最適なスマホは何でしょうか?
>シンプルにアップルかスナップドラゴンだとどちらが強いのか非常に気になります。
実はiPhoneは購入したことがなくAndroid端末専門になってしまっています(汗)
Snapdragonなら800番台が囲碁AIに向いているかと思うのでiPhoneも800番台と同じスコアならいい勝負かと。
因みにXperia5はSnapdragon855ですが「BadukAI」相手に私が2子置いています。
RTX3080>Xperia5>私 でそれぞれの差がほぼ2子という図式になっています。
野狐で打った碁をAIで解析したいのでいろいろ悩んだ結果snapdragon865搭載のスマホにしようと思います。
888は865に比べGPUスコア1.5倍出るそうですが値段が高すぎますね^^
いえいえ、参考になっていれば幸いです。
>野狐で打った碁をAIで解析したいのでいろいろ悩んだ結果snapdragon865搭載のスマホにしようと思います。
>888は865に比べGPUスコア1.5倍出るそうですが値段が高すぎますね^^
良いと思います。私も888は欲しいですが確かに値段の問題がありますね(汗)
888のスマホを買えるなら普通にGPU買えます(笑)
どこかのタイミングでAndroid用のAIアプリを紹介できたらと思います。