レア棋書ご紹介『碁経衆妙後編』③七目ナカデ?
皆さん、こんにちは。 関西棋院棋士の星川愛生です。
前々回、前回と碁経衆妙後編をご紹介しました。
今回は衆妙後編の「點之部(てんのぶ)」から出題します。
『點』とはナカデのことです。
さて少し話は変わりますが、皆さんは何目ナカデが最大かご存知でしょうか?
六目ナカデを思いついた方は大正解です❗
形でいうと…
この形が六目ナカデです。
花の形に似ているので「花六」とも言います
なので、ナカデは六目が最大なのが知られています。
それを踏まえた上での出題です❗
白番で黒をナカデにして殺す問題です。
原本には『白先勝 七點』とあります。
…七點というとまさか七目ナカデなのでしょうか?
白△の石は確かに七個あります
結果がどうなるか、皆さんも考えてみてください。
では正解を順を追って示します。
まずは、白1のアタリを先手で決めます。
それからの白3が手順です。
黒4で白△の七目がアタリですが、気にせず(笑)白5とこちらを守ります。
黒6で七目を取られて、普通なら黒が生きですが…
白7とこちらにツケるのが好手です。
黒8は仕方がなく、白9で六目ナカデ…花六で黒が死にとなります。
七目を取ったのに花六になった理由は白ロに石があるためとなります。
七目以上の広さがあっても、白ロの様に欠けている時は死ぬ場合もあります。
おそらく原本の『七點』とは「七目を取らせてナカデにしなさい」という意味なのでしょう。
実戦ではあまり出てきそうにありませんが、
ユニークな詰碁なので今回ご紹介させてもらいました。
次回は2021年7月26日(月)に更新予定です。
碁経衆妙後編の紹介は一旦、次回で終わりにします。
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