碁経衆妙の失題④『盲点の攻め合い負け』

皆さん、こんにちは。 関西棋院棋士の星川愛生です。
引き続き、古典詰碁『碁経衆妙』の失題を解説します。
今回はワタリに関する問題です。

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碁経衆妙の特徴として、死活のみならず様々な手筋が網羅されています。
白番で△の白三子を右方へ連絡する問題です。







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原本の正解図です。白1から黒4の時に白5のノゾキが好手です。
黒Aには白B、黒Bには白Aと見合いになっています。
私も長年、この図を全く疑っていませんでした。
しかし「呉清源の碁経衆妙」では黒の正しい抵抗が記載されていました。

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白3の時に黒は4とこちらに押さえるのが好手です。
普通は原図のように黒Cのキリに目が行きがちなので
この黒4は盲点とも言えます。

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白5に対して、黒6、8のハネツギが白の手数を縮める手筋です。
ここだけでも攻め合いの詰碁として出題できそうです
黒12まで白は2手、黒が3手なので白は攻め合い一手負けになります💦
白番で攻め合い負けでは失題です。

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例によって、呉清源九段の提案図となります。
原図でDにあった黒石がEに移動しました。
これにより、白石のダメが一つ空いたので
今度は攻め合いになっても、白が勝てます。

本に載っていると、それが正しいと思い込んでしまいます。
その思い込みが盲点を生むとも言えます。
時には疑うことも大事なのかも知れませんね。



次回は2021年11月8日(月)に更新予定です。
内容は未定です。

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最近はVTuberにハマっています(笑)

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