囲碁AI、次の一手『見たことがないサルスベリ』
皆さん、こんにちは。 関西棋院棋士の星川愛生です。
古典詰碁の記事が続いたので
今回はAI同士の碁を取り扱います。
私はAIの碁で気になった棋譜は保存しています。
最近、その整理をしていて
面白いと思った手があったのでご紹介します

Leela Zeroの自己対戦で対局日は2018年となっていました。
もう3年も前になるのですね❗
今、黒が△に出たところです。
もう終盤で、白は左辺の黒地を減らしたいところ。
相手の地を減らす場合は『サルスベリ』の手筋が多用されます。
語源は植物のサルスベリから来ているのですかね?

詳しいことは不明です💦
さて、サルスベリにも種類があってA図の白1大ゲイマが「大ザル」で
B図と白1小ゲイマに打つのが「小ザル」と呼ばれています。
…と、ここまでは普通のヨセ講座ですが本ブログはここでは終わりません(笑)
実戦、白は1とスベリました❗
これは何と呼べばいいか分かりません

大ザルより更に進めたので「大々ザル」とでも呼べばいいのでしょうか?
少なくとも私はこのような形は見たことがありません。
黒は当然、C図の黒2あるいは黒5と白1を分断したいのですが
ここで白3が隅に対して先手になります。
黒4はやむを得ない受けで白5で連絡しています。
因みに黒2で5の地点に打っても白3の後に、白2でやはり連絡しています。
D図のように黒4で隅を手抜きすると白から5とまくる筋があります。
白7まで5、7の白二子が連絡すると自動的に隅の黒は死にとなります

実戦、黒は2とツケて止めました。
この後、白は3、5と打ちましたがこの辺りはもう私には理解不能でした💧
厳しい手ではありますが、結果として
黒6で白の持ち込みになり損をしたと思います。
黒4の好手を見落としたのか、はたまた勝負手だったのかは不明です。
白3では、6かその一路上に打てば白は安全でした。
実戦での結果はともかく、隅への利き筋を見た
白のサルスベリは度肝を抜かれる手でした

次回は2021年11月15日(月)に更新予定です。
内容は引き続きAIの碁の取り扱いを予定しています。
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