囲碁AI、次の一手『Leela Zeroの弱点』
皆さん、こんにちは。 関西棋院棋士の星川愛生です。
前回からAI同士の碁を取り扱っています。
Leela Zeroといえば、フリーで使える囲碁AIのパイオニア的存在です
しかし、弱点も存在します。今回はその弱点を取り扱います。
前回と同じく、Leela Zeroの自己対戦から。
対局日は2019年です。白が△と打ったところ。
白の薄さは気になりますが果たしてどうなるのか?
実戦は黒1、3と出切りました❗
厳しい手ですが、確認するべきことがあります。
A図、白4のアタリからのシチョウがどうなるか?
実はB図、黒5と逃げても白6からシチョウで取られです。
しかも実戦はB図の白20までとなり、黒が投了となりました
Leela Zeroの弱点として『シチョウがわからない』ことがあげられます。
まれにですが、取れないシチョウを追いかけたり
今回のようにシチョウを逃げ出すこともあります💧
無敵に見えるLeela Zeroですが、意外な弱点があったものです❗
最新版kaatgoの分析だと、黒1の押しから3のコスミを推奨していました。
黒7まで白の1.8目優勢とのことですが、コミ7目半の碁なので元々白が有利。
6目半基準なら形勢は全くの互角といっていいでしょう。
katagoはシチョウのアルゴリズムを組み込んであるので
Leela Zeroのようにシチョウで失敗することはありません。
因みに皆さんは取られたシチョウを一つ逃げ出すと何目損するかご存知ですか?
一般的には一つ逃げ出すたびに7目損すると言われています。
せっかくなので今回のシチョウ逃げ出しをkatagoで検証してみました
①図の最初の逃げ出しが6目損、②から④図の逃げ出しが8~9目損との結果になりました。
もちろん、局面にもよりますが定説の7目損はあながち間違いでもないようです。
次回は2021年11月22日(月)に更新予定です。
内容は引き続きAIの対局を取り扱う予定です。
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