囲碁棋士のお仕事、こども教室の講師①
皆さん、こんにちは。 関西棋院棋士の星川愛生です。
今年もあと数日で終わりですね。
2021年は古典詰碁の資料をかなり収集できたので良かったです
以前、ご紹介した「碁経衆妙後編」の詰碁も大部分を精査できました。
しかし肝心の手合の方は散々だったので来年は改善するのを目標にします❗
今回はプロ棋士のお仕事として、教室講師の内容をご紹介します。
棋士の仕事として、棋戦の対局以外には囲碁教室の講師があります。
囲碁教室は棋院が運営しているもの、棋士個人の教室、
カルチャーセンターや他の人が運営しているもの等と様々です。
私は現在、関西棋院こども囲碁道場の講師を勤めています。
「こども囲碁道場」とあるように生徒は3~4歳から高校生までのこどもが対象です。
今回はその中で高等部をご紹介します。
高等部はこども囲碁道場のクラスの一つで、
下はアマ3段で上はアマ6~7段までとかなりハイレベルです。
実際、上の級の生徒は院生に上ったりしています。
先程、級と言いましたが高等部はアマの段ではなく独自の級で対局しています。
1番下が20級でアマの段だと3段になります。
6段だと10級ほどでしょうか。
高等部の良いところは10級になると希望者は院生に編入できる点です。
プロを目指す子供には格好の場となっています
勉強法は基本的に生徒同士で対局して、その後に講師が検討をします。
検討の様子。手前は講師の藤井秀哉八段
講師の仕事は生徒の対局を見ることですが
検討時だけ見ればいいのではありません。
生徒たちの対局を見守りつつ
この生徒にはこういうところをアドバイスしよう等を考えています。
技術面よりは囲碁の考え方や法則を重視して指導しております。
そんな中、ある対局を見守っていると死活がきわどい形が現れました。
左より中央黒の死活です。
生きるか死ぬかきわどいところです
図にするとこうなります。
どうでしょうか。皆さんはここから黒番でしのげますか?
実戦の進行です。黒1とこちらで眼を作ろうとするも
白8までここでは眼ができません。
しかし、ここで黒9が好手で眼の急所となります。
黒13まで見事に黒が生きました🎵
ちゃんとしのいだ黒は立派です
実は検討時に生徒が対局を途中までしか覚えていないことが多々あります💦
そのため、最近は気になる局面をスマホで撮影しています。
もし、途中しか覚えてなくても撮影した局面を盤に並べて指導できます。
文明の利器に感謝です(笑)
2022年1月3日(月)はお休みをいただいて
2022年1月10日(月)に更新予定です。
内容はこども囲碁道場冬期講習の様子をお伝えします。
この記事へのコメント