AIはブロック数で着手が変わる?~三妙手その二~
皆さん、こんにちは。 関西棋院棋士の星川愛生です。
引き続きkatagoのブロック数で着手に違いがあるかを検証します。
前回の記事はこちら→「AIはブロック数で着手が変わる?~三妙手その一~」
ではまず、吐血の局第2の妙手を見てみましょう。
白1のカドが第2の妙手となります。
白△の影響もあって黒は2と備えました。そこで白3に回ったのが実戦となります。
白3は前回AIが最善として推していた手です。
では15bの分析結果から
今回の15bは2500手、25000手ともに白1のツケを推奨。
特筆すべきは25000手の図で、右下隅の白を捨て気味にしています。
最善としても、人間が採用するのはためらいます💦
次に40bの分析結果です。
40bでは2500手、25000手ともに白1の打ち込みを推しています。
やはり右下隅は放置で左辺拡大を重視。
最後に60bの分析結果です。
60bでも同じく白1の打ち込みを推しています。
しかし黒の応手が違っていて、2500手は続けて左辺に
25000手は黒2と下辺にモタれています。
では今回のまとめに入りましょう❗
今回のまとめ
1.15bでは白Bのツケを推奨。
2.40b、60bでは白1のハサミを推奨。
3.40bでは黒2のトビに白Cなど右下隅より左辺を重視。
4.黒2で60bでは左辺に打ったり下辺にモタれたりして、
黒も右下隅の白△の石は放置している。
5.実戦の白Aは0.2~0.7目損と評価。
さて、いかがでしたか?
今回はブロック数でやや違いが見られました。
具体的には15bは少し強引なツケ、
40bは白の打ち込みに黒は右下隅を攻める展開
60bでは白も黒も右下隅は放置となりました。
私が見るにブロック数が増えるにつれ、より高度な攻防が繰り広げられている印象です。
ただ実戦の手もAIから見ても最善とさほど変わらないのは
流石丈和といったところです
右下隅を捨て気味に打つのは丈和も当然考えたでしょうが、
大事な一局ゆえ安全策を取ったと推察します。
次回は2022年3月7日(月)に更新予定です。
三妙手最後の手の分析を予定しています。
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