AIはブロック数で着手が変わる?~番外編~

皆さん、こんにちは。 関西棋院棋士の星川愛生です。

前回で一通りの分析が無事終わりました
今回は番外編として15bの250手60bの250000手
分析を一気に見ていきましょう。

ちなみに1局丸ごと分析するのにかかった時間ですが
15bの250手1分間もかからずに数秒で終了しました。
これだけ早ければ、GPUがないパソコンでも楽々使えそうです。

一方、60bの250000手1局分析するのに1日半(!?)かかりました💦
こちらはあまり実用的ではありませんね…。
特定局面のみ分析するのなら、何とかなりそうですが

それでは両極端な比較を見て行きましょう❗
まずは第一の妙手から

15b_250&60b_250000①.png
15bで多用している白1のツケは250手でも健在です。
60bも白1の打ち込みから黒2のカタツキは共通しています。

では次に第二の妙手

15b_250&60b_250000②.png
15bは定番の打ち込みです。変化もシンプルですね。
60bは新しい手が現れました❗
右辺の黒に対して利かそうという意図です。
発想としては、実戦に極めて近い気がします

最後に第三の妙手

15b_250&60b_250000③.png
今度は15bが実戦の手に近いですね
60bは40bが打っていた白1のサガリでした。
やはり、利くなら打っておきたい手なのでしょう。


さて、準備編と番外編も合わせると計5回にわたって
ブロック数や探索手数の違いを検証しました。
私の印象では確かに60bの方がより深く読んでいる感じがしますが
40bとどう違うのか具体的には分かりません💧

ただ、ブロック数や探索手数の違いで
あたかも棋風すら違うように見えたのは面白かったです
環境によっては15bの2500手でも充分勉強になるかと思います❗

次回は2022年3月21日(月)に更新予定です。
内容は3月20日に開催予定の全国高校選抜の様子をお伝えします。


この記事へのコメント

プロフィール

名前
星川愛生
誕生日:
6月19日
性別:
職業:
囲碁棋士
一言:
古典詰碁と囲碁AIに力を入れてます。

自作パソコンが趣味で機械系には割と強いかも?

最近はVTuberにハマっています(笑)

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