レア棋書ご紹介『棋譜玄覧』地中に手あり
皆さん、こんにちは。 関西棋院棋士の星川愛生です。
前々回から棋譜玄覧という棋書をご紹介しています。
さて、棋譜玄覧ですが出版事情が少しややこしいので解説します。
1833年、「棋譜玄覧」 詰碁12図、シチョウ5図、盤中詰碁2図
1835年、「手談五十図」 詰碁50図
1846年、「棋譜玄覧」 上記の2冊を合わせたもの
こちらは井上秀徹という棋士が出版しています。
おそらく後世のために、改めて合本にして出版したのでしょう。
手談五十図からの出題です。黒が△にハネたところでしょうか?
白番で黒の地に手をつけに行きます。
このように地の中に手をつけるのを「地中に手あり」と言います。
まずは白1と手を伸ばすのが肝要です。
白3は先手です。そこで白5のツケが絶妙手❗
黒は6のつなぎが最善。白7と連絡して手数を伸ばします。
白17まで黒地の中で大暴れして最後はコウになりました❗
変化図、白5に対して黒6と打つのは
白7からアタリアタリでシチョウになります。
棋譜玄覧は古典詰碁では珍しく地中に手ありの問題が多くあります。
死活も大事ですが相手の地を荒らす地中に手ありも実戦に役に立ちますね🎵
次回は2022年6月20日(月)に更新予定です。
6月11日に講師として参加した三重県熊野市の
子ども教室の様子をお伝えします。
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