囲碁棋士のお仕事「囲碁教室のゲスト講師」
皆さん、こんにちは。 関西棋院棋士の星川愛生です。
6月10、11日に三重県熊野市の子ども教室にゲスト講師としてお邪魔しました
私の仕事は主に指導碁で、今回みたいに
ゲストとして指導碁を行うのはたまにあったりします。
このような形で三面打ちの指導碁を行いました。
碁盤も碁石もとっても綺麗です🎵
熊野市は那智黒石が産出されることで有名です。
那智黒石は碁石の黒石として使われています。
普段は川邊展央氏を始め、地元の有志の方々が講師を努めておられます。
川邊先生は熊野市の子ども教室以外にも「くしやこども囲碁教室」を
主宰されており、精力的に活動されております。
今年の高校選手権や少年少女の三重県代表はみんな川邊先生の教え子です
本当に頭が下がる思いです❗
さて、指導碁の中で興味深い形が出ました。
置碁ですが、右辺以外は省略しております。
1図、白1と切ったところです。
2図、黒2では黒A、白2、黒Bと打てば安全ですが
実戦の進行も力強くて好感が持てます❗
3図、白は当然5と逃げ出して来ます。黒6もこの一手。
白7に対して黒9と手数を伸ばす手もありますが
黒はあくまで真っ直ぐですね
それはそうと、白9まで黒が絶体絶命に見えます💦
実際に実戦は諦めてしまったのか
別の場所に打って、白Cで黒の大石が取られました
黒は4図、10のサガリが最善です。白も11と外から詰めるのが相場。
この時に黒12の切り込みが妙手で、14まで黒が攻め合い勝ちです。
と、考えていると5図、黒△に対して白1とノゾく抵抗を発見しました。
もし黒2とつないでしまうと、白3で白の手数が伸びてしまいます💧
そうなると白5で黒の攻め合い負けです。
6図、白1には黒2と出れば攻め合いは勝ちますが
白3、5とこちらを突き破られて、黒大石の死活がはっきりしません。
さて、どう対抗したものか…
7図、白1には黒2のツケが対抗策です。白3はやむを得ない手。
黒4は愚形ですが妙着で、白はシチョウやゲタを
防ぐために5などの受けが必要です。
それから黒6と出て、黒大石が無事に助かりました🎵
囲碁に限った話ではありませんが「これはもう駄目だ。」
という状況でも、手はあったりします。
どんな時でも諦めない心が大切です。
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