レア棋書ご紹介『棋譜玄覧』肺腑をえぐる強手
皆さん、こんにちは。 関西棋院棋士の星川愛生です。
棋譜玄覧の紹介も今回で4回目になります。
今までご紹介した棋譜玄覧ですが
原本を日本棋院さんで許可を得て、資料として撮影させていただきました。
この場を借りて、改めてお礼申し上げます。
さて、今回は私があまりの鋭さに感動した問題を扱います。
1図、右下隅の白が焦点です。
原本には「黒先 劫の数によりて益あり可味」とあります。
どう見ても白地ですが、黒から肺腑をえぐるような強手があります。
皆さんはどこに目が行きますか?
2図、黒1のツケ⁉が正解になります。
私は最初に見た時、目が点になりました
しかし読めば読むほど侮れない手だと気づきます❗
3図、第一感は白2の押さえですが、これには
黒3のハネが後続手段です。黒1の効果で白4で6には打ちづらい💧
白8まで単なるヨセにも見えますが…。
4図、なんと黒9までスベる手がありました❗
白10には黒11とコウで受けます。
こうなると白全体の生死をかけたコウになっています
他の変化として、5図の白2サガリも考えられます。
しかし、黒3~5と隅に侵入して黒の大戦果です。
後に黒Aのヨセが大きいところ。
6図、白2のツケもシノギの手筋です。
しかし、黒3~5を先手で決めて7と出ると
白はただでは済みそうにありません💦
黒13までコウになり、黒の成功です🎵
他にも変化があり、難解ですが黒1のツケは成立しています。
このような問題を思いつく赤星因徹はやはりただ者ではありません
次回は2022年7月4日(月)に更新予定です。
引き続き、棋譜玄覧の紹介をします。
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