AIによって打たれなくなった定石

皆さん、こんにちは。 関西棋院棋士の星川愛生です。

今回はAIの登場によって打たれなくなった定石をご紹介します。
せっかくなので実戦図を元に進めましょう

スクリーンショット 2022-07-11 234532.png
katagoCrazyStoneというAIの対局です。
今回のテーマは左上隅です。
白24に対して黒は25、27と二段バネしました。
左辺に白を追いやる時に有効な手段です。

スクリーンショット 2022-07-12 043414.png
黒の二段バネには、現在は白1、3と打つ一手です。
黒は4、6と隅の地を確保します。
白は代わりに辺に展開した形になります。
では以前は打たれていた定石を見てみましょう❗

スクリーンショット 2022-07-12 045050.png
白1のハネから3のキリが手筋です。
かつては上辺に展開したい時はこの定石でした。
もしかすると皆さんも見たことがあるかも知れません。
実は私も以前はたびたび打っていました

しかし、現在この定石は全く打たれなくなりました💧

スクリーンショット 2022-07-12 112621.png
KaTrainでの分析です。
10万手分析しましたが、下ハネは1.2目損と出ています💦
とはいえ、定石は方向や配置が違うとダメな場合があります。
それでは三々を押さえる方向を逆にしてみます。

スクリーンショット 2022-07-12 114042.png
なんと、逆に押さえても下ハネ1.2目損になりました❗
これは下ハネからの変化は損と言えそうです。

スクリーンショット 2022-07-12 115328.png
結論
上の図、下ハネからの変化は白△と黒△の交換が損で味がない。
またXの部分にダメが空いているので白は中央を広げる手段がない。

比較として下の図、かみ取りの変化は後に白Aから中央を広げる手段がある。
また白Bの利き筋があるので後々役に立つ場合もある。

いかがでしたか?
AIの登場によって、新しい定石がたくさん産まれました
しかし、その影では廃れてしまった定石も数多くあるようです。

次回は2022年7月25日(月)に更新予定です。
内容は未定です。

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プロフィール

名前
星川愛生
誕生日:
6月19日
性別:
職業:
囲碁棋士
一言:
古典詰碁と囲碁AIに力を入れてます。

自作パソコンが趣味で機械系には割と強いかも?

最近はVTuberにハマっています(笑)

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