プロの勉強法~AIを使った勉強あれこれ~①
皆さん、こんにちは。 関西棋院棋士の星川愛生です。
以前にプロ棋士の勉強法として3つご紹介しました。
今回はAIを使った勉強法のあれこれをご紹介します。
・AIを使って検討する
これは皆がやっている事ですね。
自身の対局やタイトル戦をAIで分析するのは当たり前になりました。
・AI同士の対局を研究する
こっちはあまり馴染みがないかも知れません…
当ブログでAIの記事が紹介できるのは
私が普段からAI同士の碁をチェックしている習慣のせいです

「Games for kata1 by Network」からkatagoの自己対戦が見られます。
勉強という観点だと「Rating Games」の対局を見るのが良いでしょう。
AI同士の対局を見る利点は
①人間を超えたハイレベルな対局が見れる
②AI発の新定石や戦法をいち早く確認できる
と言ったところでしょうか。
自分的には単純に見ていて面白いのも理由の一つです。
ここで私が10月19日に対局した、関西オープンでのエピソードをご紹介します。
私が白番で、黒が倉橋正行九段です。
左下隅は白1のハネ出しが厳しい手です。
黒は2と切るしかありません。黒4も仕方がないところ。
白5のノビキリが良い形です。黒6には白7が手順。
変化はいろいろありますが、白が有利な図が多い形。
局後に聞いてみると、倉橋九段はこの変化をご存じなかったみたいです。
この変化はkatagoの自己対戦でも一時期良く打たれていました。
それと私自身も以前に研究していたので思わず
「良くある形です。」と言ってしまいました💦
私の発言に倉橋九段も戸惑っておられたし
回りにいた棋士の一人に「良くあるって、本当かよ」的な感じで言われました💧
確かによくよく考えると公式戦での対局例は少なかったのです。
幸い、隣りにいた原正和四段が「この変化は確か白が有利だったと思います。」
と言ってくれたおかげで丸く治まりました。
彼は若手の有望株で私より説得力があります(笑)
自分にとっては当たり前でも回りでは違うという事を忘れていました。
発言する時は言い方に気を付けないと駄目ですね

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