プロの勉強法~AIを使った勉強あれこれ~②
皆さん、こんにちは。 関西棋院棋士の星川愛生です。
前回はプロ棋士のAI活用法と
関西オープンでのエピソードをご紹介しました。
せっかくなので前回の変化の続きを解説します。
白1のハネ出しが厳しい手。黒6が第一感ですが白7が好手順。
1図、もし白1を先に打ってしまうと白3には黒4とかわされます。
実戦は2図のようになりました。まだまだこれからの局面ですが
黒△のサガリが無効化され、白が楽しみな形勢です。
さて、検討室では様々な棋士が勉強のために集まっています。
3図は実戦より厳しい打ち方で白1、5と石数を増やして7と襲いかかる算段です
この図は久保勝昭九段が示したものです。
久保九段はご自身の手合いがない日でも
検討室に必ずおられるほど研究熱心な先生です。
では、久保九段がAIをどう使うかというと
・遠隔操作し、リアルタイムで分析をする
これは説明が必要ですね。
通常なら対局が終わる自宅で棋譜入力AIで分析という流れになります。
しかし、久保九段はタブレットとパソコンをネットで繋ぎ
相互に利用できる環境を作っています
タブレット(iPad等)自宅orクラウドのパソコンといった形です。
実際の流れは
①検討室で実戦の手順や分からない変化をタブレットに入力
②自宅のパソコン(AI)が最善図を示す
③タブレットに表示された図を対局者含め、複数の人が検討
の繰り返しとなります。
AIでの分析を対戦相手と一緒に検討するのは勉強になります。
難点は遠隔操作の環境を作るのにパソコンの知識が必要なことです。
いろいろな方法がありますが
私は「Chromeリモートデスクトップ」をおすすめします。
次回、解説しようと思います。
多少の設定は必要ですが比較的簡単に導入できます。
また、ノートパソコンを持ち込んで検討されている棋士もいます。
局後にAIで分析しつつ、対局者同士で検討する時代なのかも知れませんね。
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