第14回UEC杯の注目AIの紹介①
皆さん、こんにちは。 関西棋院棋士の星川愛生です。
11月26、27日に第14回UEC杯が開催されました。
正式名称は「第14回UEC杯コンピュータ囲碁大会」となります。
囲碁AIの黎明期から続いている大会です。
特徴としては個人開発の方も多く、ユニークなAIが参加している点ですね
katagoの製作者さんも参加で注目度の高い本大会でした❗
ご紹介するのは、きのあさんが開発した「きのあ囲碁」です。
今回、注目した理由はマネ碁を取り入れている点です。
AI破りのために、人間がマネ碁をするのは過去にありました。
しかしAIがマネ碁をすると、どうなるのか大変興味深いですね。
きのあ囲碁の黒番です。
白のCrazyStoneは「最強の囲碁」という市販ソフトで販売されています。
1手目から面白いことになっていますね
初手天元からのマネ碁は豊臣秀吉が本因坊算砂を相手に試みたという伝説があります。
黒21まで天元を除いて、全く同じです。
黒25でAに打てばマネ碁が継続でしたが、実戦は変化しました。
おそらく黒Aより25の方が価値が大きいと判断したのでしょう。
白26も面白いですね。
黒が26に打たなかったので人間だと気合の一手だと言えます(笑)
黒27は利かしですかね?黒は29、31と白一子を取ろうとします。
しかし、これが良くなかったようです。
白32、34と突き破られるとかなり薄い形になりました💦
白36と逃げ出すのが好手。次に38の逃げ出しを狙っています。
黒37、41とこちらを連打しても白40と抜かれたら終わりです
実戦の黒31では、この図の黒1とつないで頑張る手がありました。
白はシチョウが悪いので2とアタリするしかありません。
黒3に白4と白も黒石を狙いますが、一旦5と手を伸ばしてから
黒7、9を先手で決めて、11でシノいでいます。
もしこの図の展開となったら、
黒の天元が大いに働いて面白い戦いになったでしょう。
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