コウの種類いろいろ①『一手ヨセ二段コウ』
皆さん、こんにちは。 関西棋院棋士の星川愛生です。
今回はコウについての記事になります。
皆さんはコウにも種類があるのはご存知でしょうか?
まずは1図、黒1と打ってこの形は『本コウ』と言います。
次に黒Aでコウを解消できます。白からはAと取った後に1目を抜けば解消です。
そして、2図ですが黒1の後に黒B、黒Cとつないでようやく解決します。
このように解決するまで二段階かかるので『二段コウ』と言います。
白からはDと取った後に抜いて解消する形になります。
3図、黒1の後に黒は一手では解決できません。黒Eと詰めてやっと本コウです。
一手余計にかかるので『一手ヨセコウ』と言います。
さて4図が今回のテーマ図です。三々定石から生じる形です。
黒番で隅の白に手を付けます。
5図、黒1が正解です。白は2とハネた後、4と打つのが正しい手です。
黒5と放り込んでコウ形ですが……。
6図、実は白6で手抜きをしても黒は中々解消できません💦
黒7に白8で二段コウです。
黒が一手かけて、二段コウなので『一手ヨセ二段コウ』と言います。
かなりのレアケースで初めて聞いたコウではないでしょうか?
7図、黒1の星に白2と三々に入ったとして、黒13まで定石です。
後で黒Aに石が来て、黒B、白Cが先手です。
その時、黒△に手抜きができるかが今回のテーマ図でした。
結論としては手抜き可能です。
隅の白を取るのは20数目。
黒から一手ヨセ二段コウなので、解消するまで三手もかかります。
3で割ると一手あたり8目くらいの計算になります。
それくらいなら大したことはありません。
コウの場合にはこのような計算も大事になります。
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