コウの種類いろいろ②『20年前には無かったコウ』
皆さん、明けましておめでとうございます。 関西棋院棋士の星川愛生です。
前回は一手ヨセ二段コウについての記事でした。
今回もコウについてのお話です。
囲碁の歴史は何千年と古いですが、今なお常識は変わっています。
AIの登場前と後でも、かなり変化しました💦
1図が今回のテーマ図です。
黒番で隅の白に手を付けます。
2図の黒1のハネが正解の一つ。まずは白のスペースを外から狭めます。
白2の押さえは最善です。ここで黒3の『2の一』と置く変化があります。
そして3図、白は4から6と最大限に広げます。
4図、黒7のホウリコミが好手です。
黒7で黒9と打つのは白7でセキにしかなりません。
白8の取りに黒9でコウ形です。
20年前なら、白10でAに打って本コウが正解でした。
しかし現在では黒9の状態で『保留コウ』と言います。
すなわち、白Aを保留するという意味です。
白の手抜きに黒から7のところに取ると黒有利の『一手ヨセコウ』になりますが解消される訳ではありません。
保留コウはここ10年くらいで聞くようになったかと思います。
最初、保留コウという名前を聞いた時は「なんじゃそりゃ」と思いましたが
コウを仕掛けずに保留するのは理にかなっていますね

実をいうとテーマ図は詰碁としては微妙な問題です。
4図以外に5図や6図のオキでもコウになります。
6図なら、本コウになるのでむしろ最善かも知れませんね…。
詰碁好きの方は研究してみると死活の勉強になります❗
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