古碁、次の一手『受け継がれる手筋』
皆さん、こんにちは。 関西棋院棋士の星川愛生です。
今回は古碁から次の一手を出題します。
本因坊察元と井上因達の対局です。
二子局ですが、御城碁なので対局者は命がけです。
今、黒が△のところに詰めて来ました。
1図、白1の二間ビラキは常識的な手です。
黒は2のコスミツケから4が予想されます。
白は5とツケまで足を伸ばしたい。
もし、黒Aと来てくれたら白Bと引いて広さは充分です。
しかも白Cのキリも残っています。
しかし、黒は2図の黒6とハネ出して反撃します。
白7のキリに黒8が厳しい手。白9と変わってから黒10と打ちます。
黒12まで、白は根拠を奪われてしまいました💦
また、3図の白9は最強の抵抗ですが黒10、白11の後に
黒12が実戦的な好手で14まで連絡できました。
実戦は4図、白1と先にツケました。黒2と受けさせてからの白3のヒラキです。
先手を取って白5のカカリに回って見事に二子局をこなしています。
黒1のハネ出しには白2のキリ。
黒3はやはり最強の抵抗ですが、ここで白4の一間トビが好手です。
黒は結局、5と取るくらいです。白は6を利かしてから8までスベれます。
白10まで見事に治まりました。
実は白の下ツケからの4は私も置き碁で良く打つ手筋です。
知らない間に身についたものですが、本因坊察元が打っていたのは驚きです

この碁が打たれたのは1776年なので、今から247年前となります❗
その間に人から人へと受け継がれて来たのでしょうね。
囲碁の奥深さを改めて感じています。
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