レア棋書ご紹介『適情録』#5
皆さん、こんにちは。 関西棋院棋士の星川愛生です。
最近、『囲棋文献集成』という書籍を中国から取り寄せました。
囲棋文献集成は中国の古典棋書をすべて収録した本です。
特徴としては全23巻もあり、原本の図を忠実に載せています。
私が聞いたこともない棋書が目白押しで興奮しております(笑)
その囲棋文献集成の玄玄碁経のページをパラパラめくっていたら…
このようなページを見つけました。
赤丸で囲った部分にご注目ください。
『幽玄勢』という題名でしょうか?
第一に詰碁として成立しておりません💧
解答図は黒1以外に黒2でも白死です。
第二にこの詰碁は日本で出版されている玄玄碁経では見たことがありません。
玄玄碁経は古くは江戸時代、昭和だと呉清源九段や
橋本宇太郎九段が解説していますが、どの書籍にもこの詰碁は見受けられません。
一応、宇太郎九段の玄玄碁経に「幽玄勢」がありますが別の筋の詰碁です。
これは推測ですが、原本の図では詰碁として成立してないので後に外されたのではないでしょうか?
しかし、私はこの詰碁を見たことがあったのです❗❗
1図が適情録に収録されている詰碁の一つです。
細かい違いはありますが、先程の玄玄碁経の詰碁に似ております。
解答は2図で白1は当然として、白3が手筋で黒死となります。
適情録を参考に白△を追加しました。
本邦初公開、玄玄碁経『幽玄勢』です
正解は適情録と同じく、黒1。そして黒3のオキが好手で白死です。
そして失敗図。今度は黒1のトビは白2、4と切断されて黒が失敗です。
原図は不備があって、失題になっていましたが
適情録からヒントを得て、修正できました🎵
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