KataGo、超次元の新手#1
皆さん、こんにちは。 関西棋院棋士の星川愛生です。
以前、囲碁AI「KataGo」が28ブロックを採用し始めている事をご紹介しました。
今回はその28bのユニークな新手を研究します

白6の三間ハサミは最近、KataGoで流行しています。
有力な手なので人間界でも流行るかもしれません。
さて、ここで黒7がKataGoの新手です❗
これは何と言う手なのでしょうか?
「ボウシ」からは少し離れているような

黒7ではAの両ガカリやBの三々なら普通の着手。
1図、白8は考えられる応手の1つ。
ここで黒9が狙いの一手です。
まるで鳥が獲物を狙って降りてきたように見えます

白10のオシは当然の反応で、黒11が激しい手で
普通は12のところに打つくらいのもの。
白12のキリに黒13の押さえ込みはまた厳しい。
2図、白14は白を強化する手。黒15とはまたふんわりと封鎖してきますね。
白16のノビキリは好形。黒17も攻め合いの急所。
一見すると互角の戦いです。
しかし、よく見ると意外に白が苦しい?

3図、攻め合いを続けるなら白1の押さえです。
しかし、黒2のカケツギが好手で黒の手数が意外に長い💦
黒12まで、黒の手数は5手で白は3手しかありません。
4図、実戦は白18から22まで絞って捨てる方向に切り替えました。
黒27まで白石を取れて黒は満足な結果になりました。
今回の黒7の新手は単に珍しいというだけではありません。
一見すると無関係のように中央に打ってから、
急降下して相手の石を狙うのは囲碁の新しい打ち方かもしれません。
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