玄玄碁経から紐解く中国史(2)
皆さん、こんにちは。 関西棋院棋士の星川愛生です。
前回は玄玄碁経から『高祖斬蛇(こうそざんだ)』という詰碁を紹介しました。
漢の劉邦が、打倒秦を決意したという意味の題名でした。
今回も劉邦にちなんだ詰碁を紹介します。
玄玄碁経『高祖解滎陽勢(こうそかいえいようせい)』です。
山海堂さんが出している玄玄碁経では
「漢の高祖劉邦が滎陽城の囲いを解く」とあります。
滎陽は今の河南省鄭州市滎陽市で、
項羽と劉邦の楚漢戦争でも度々登場します。
囲いを解くということは劉邦が滎陽城を手に入れたところでしょうか?
まずは黒1のキリから始まります。
白2は当然の抵抗。黒3にも白4しかありません。
白4の時に黒5が手筋です。白は6が無難。
黒7も大事な手です。
黒7には白8と取るしかありません。
続けて9ともう1回ホウリコむのがトドメの手筋❗
黒11までオイオトシで白4子が取れました。
黒1に対して、厳密に言えば白2でコウになります。
しかし、白が不利な二段コウな上に
白がコウに負けても、被害が甚大なので現実的ではないでしょう💦
滎陽城は劉邦の本拠地とも言える城なので玄玄碁経でも度々登場します。
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